地域情報誌『ただいま』の巻頭特集に掲載されました!
人の営みののこる名山のふもとー山梨県南アルプス市芦安
北岳や甲斐駒ヶ岳、仙丈ヶ岳をはじめとした南アルプス北部の登山玄関口芦安には独自の文化がひっそりと残る唯一無二の集落である。平地が少ない谷あいの集落で、古来より木材の切り出しや薪炭を主な産業としていた。狩りで肉を調達し、穀物は山の斜面で焼き畑を行って育ていた。今となっては薪炭も狩りも、農業すらも辛うじて残っている程度。
ウォルスター・ウェストンが南アルプスに行きその名をつけた頃は勿論、その遥か昔から続いてきた営みが消えかけている。もとの生活に戻そうといっているわけではない、その当時のバランスの取れた生活は山と関わりのある人が紡ぎ出した一つの答えである。彼らを山人(やもうど)呼ぶ。
昨今、登山もただただ山頂を目指すピークハントだけではなく食を楽しむ等様々な価値観が増えている。その山の麓に息づいてきた食や文化、山人の息づかいに触れてはいかがだろうか?山の余韻に浸り、古の余韻を感じとる。そして山の楽しみは麓に来て昇華する。
そんな芦安に、山好き、自然好き、これから好きになる人の為に『南アルプス36』はある。